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CAD/CAM支台歯形成


デジタルデンティストリーの台頭により歯科医療は大きく変化している。CAD/CAM歯冠修復治療はその代表であろう。従来の精密歯科治療とは製作方法をはじめ様々な工程が異なるため、補綴治療の知識を改めて学ぶ必要がある。そこで、今回はCAD/CAM修復の支台歯形成について記載する。

1. 支台歯形の原則(図1)

原則①

支台歯のTOC(total occlusal convergence)は16°以下にする。

原則②

支台歯の歯冠長は前歯3mm、臼歯4mm以上

原則③

歯冠長/唇(頬)舌径の比率は0.4以上
以上はレジンセメントを用いて装着するセラミック修復においてもリテンションのため遵守すべき原則である。日常臨床においては、特に臼歯部で原則②③において過不足が生じることが多い。
そのため筆者は歯肉縁下にフィニッシュラインを設定することで維持力をより獲得し、対処している。

原則④

規格化されたバーを用いて、必要な削除量を確保する
バーの規格(太さ、テーパー)をガイドとして用いて、必要な削除量を確保する。具体的な方法に関しては割愛するが、削除量の最終チェックとしてプロビジョナルストレーションを用いて確認する。

原則⑤

マージン形態は0.8〜1mm以上幅のヘビーシャンファーもしくはラウンデッドショルダー
CAD/CAM修復物を適合させるために、このマージン形態が推奨される。筆者は適合、および便宜的な意味も含めラウンデッドショルダーを用いている。

原則⑥

ポイントアングルとラインアングルは必ず丸くする
CAMでの切削の際に用いられるバーの直径は各社ほぼ約1mmのものが多い。それゆえ、削合が無理な部分は余分に削られ修復物は薄くなり、セメントスペースとなる。このようなスペースをなるべく減らすためにポイントアングル、およびラインアングルは丸めておく必要がある。

原則⑦

セメントスペースは30〜60μmに設定する
各社ソフト上での設計の際にセメントスペースを設定できる。筆者はスペースを30〜60μmに設定してもらっている。セメントスペースの量による浮き上がりと適合は紙一重であるので、使用セメントの種類などを考慮し、慎重に判断すべきである。

原則④〜⑦は補綴物の強度および適合のために遵守すべき原則である。

筆者の感覚では、従来のメタルベースの補綴治療における支台歯形成の基本原則とさほど変わりはない。治療の第一義は変わらず、耐久性であるからである。従来の精密鋳造修復と大きく異なるのはスキャナーでの読み取りとミリングマシーンでの削り出しというステップである(図2、3)。

従来のワックスを用いた鋳造法にくらべ、歯科技工士の精巧な微調整ができないステップが存在するということである。故にCAD/CAM修復での支台歯形成の注意点とは、①スキャナーで読み取れる形態と明瞭なフィニッシュラインを形成すること(図4)、②ミリングマシーンで削り出せる修復物の厚みおよび補綴物の強度を保証するために必要な削除量を遵守することといえよう。これらの特性を理解することがCAD/CAM修復の基本である。

次号より臨床例を提示しながら前歯部、臼歯部に分け、より具体的な注意点に関して連載予定である。



岩田 卓也

東小金井歯科(東京都小金井市)
歯科医師 岩田 卓也
(K.O.Mail No.037)



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